嘔吐後の吐血は、早めの受診と適切な検査を
Mallory Weiss
マロリーワイス症候群は、激しい嘔吐やえずきなどによって食道と胃の境目付近に強い圧力がかかり、粘膜が裂けて出血する病気です。嘔吐物に鮮血が混じる、黒っぽいものを吐く、黒い便が出るといった症状が見られることがあります。多くの場合は自然に出血が止まりますが、出血が続く場合や出血量が多い場合には、内視鏡による止血処置や入院治療が必要になることがあります。当院では症状や全身状態を確認し、必要に応じて上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を行い、適切な治療や専門医療機関への紹介につなげます。大量の吐血、強いふらつき、冷や汗、動悸、意識が遠のくなどの症状がある場合は、当院への通常受診を待たず、速やかに救急車を要請してください。
マロリーワイス症候群の症状
嘔吐後の吐血や黒い便に注意
代表的な症状は、激しい嘔吐やえずきの後に起こる吐血です。最初は通常の嘔吐物で、その後に鮮血が混じるケースもあります。
主な症状には、次のようなものがあります。
・嘔吐物に鮮血が混じる
・赤黒いものやコーヒーかす状のものを吐く
・黒く粘り気のある便が出る
・みぞおち周辺の痛み
・めまいやふらつき
・動悸や息切れ
・顔色が悪い、冷や汗が出る
吐血の原因には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、食道静脈瘤など、ほかの病気もあります。嘔吐後の出血を自己判断せず、早めに医療機関を受診することが大切です。
マロリーワイス症候群の原因
急激に腹圧が高まることが主な原因
激しい嘔吐やえずきによって胃の内圧が急激に上昇すると、食道と胃の境目に強い力がかかり、粘膜が裂けることがあります。
発症のきっかけには、次のようなものがあります。
・飲酒後の激しい嘔吐
・胃腸炎や食中毒による繰り返す嘔吐
・妊娠中のつわり
・強い咳やくしゃみ
・過度な力み
・激しい運動や重い物を持つ動作
・上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)中の強いえずき
特に飲酒後は嘔吐を繰り返しやすく、発症につながることがあります。原因となった状況を確認し、再発を防ぐための注意点についてもご説明します。
マロリーワイス症候群の検査
胃カメラで出血部位と状態を確認
マロリーワイス症候群が疑われる場合は、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)によって食道と胃の境目付近を観察し、粘膜の裂け目や出血の有無を確認します。
胃カメラでは、次の点を確認します。
1. 粘膜が裂けている場所
2. 出血が続いているか
3. 傷の大きさや状態
4. 胃潰瘍など、ほかの出血原因がないか
出血が続いている場合には、検査と同時に止血処置を行うことがあります。血圧や脈拍、貧血の程度などを確認するため、血液検査や全身状態の評価も必要です。
当院では、患者様の状態を確認したうえで検査方法を判断します。出血量が多い場合や全身状態が不安定な場合には、対応可能な医療機関へ速やかにご案内します。
マロリーワイス症候群の治療
多くは自然に止血し、状態に応じて治療します
マロリーワイス症候群の多くは自然に出血が止まり、安静や絶食、点滴、胃酸を抑える薬などの保存的治療によって改善します。
一方、出血が続いている場合には、胃カメラを用いた止血処置が必要です。内視鏡による主な止血方法には、止血用クリップ、薬剤の注入、熱を利用した凝固処置などがあります。
治療後は、出血の再発や貧血の有無を確認しながら経過を見ます。また、繰り返す嘔吐の原因となった胃腸炎や飲酒習慣などについても確認し、必要に応じて再発予防のためのアドバイスを行います。
症状が落ち着いた後も、吐血や黒い便、強いふらつきなどが再び現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。